人と違うことをやる。リスクを冒してでも新しい道を行く──。イノベーターとして活躍する若きリーダーたちは、どんな原体験に支えられ、どう育ってきて、そんなモチベーションや使命感、そして強い自己肯定感を得るに至ったのか。今回はテーマ型投資の投資プラットフォームを提供するオンライン証券ベンチャー、FOLIOの甲斐真一郎さんです。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」論説委員 深澤 献)

証券一家にバブル崩壊
8歳で知った「稼ぐ大変さ」

甲斐真一郎・FOLIO代表取締役兼CEO
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──お金に関する教育が独特な家庭だったとか。

 小学校1年生のころから「今日、株価上がった?」と母に聞くのが日課でした。父は証券マンだったので、株価が下がると機嫌が悪くなる。それは自分にとってダイレクトに影響するからです。

 母も証券会社勤めで、投資とか資産運用とか株式とか、そんな言葉が飛び交う家庭でした。小学校低学年のころ、母方の親族が創業した会社が上場することになって、そこの株を買うか買わないかという話をしていたのも覚えています。

 また、どういう意図があったのか、父親が札束を持たせてくれて、それを銀行員のように数えたりするのが好きでした。

──その他の教育方針はどんなものでしたか。

 完全に放任主義です。勉強しろと言われたことは、たぶん一度もないです。ただ、両親は褒めてくれました。小学校で百ます計算というのをやったのですが、それが異様に速く、2番目の子に1分以上差をつける。あれで算数が好きになりました。それも、できることを認め、褒められたからです。

 確か小2のとき、ピタゴラスの定理の仕組みを解説したような算数の不思議に関する本を買ってもらったんです。以来、算数にハマって、「ヒポクラテスの三日月」の面積を求めるような問題に没頭していました。両親が肯定してくれたので、今まで圧倒的な自己肯定力を持ったまま伸びることができたと思っています。