甲斐真一郎(フォリオ代表取締役CEO)
甲斐真一郎(フォリオ代表取締役CEO) Photo by Toshiaki Usami

「VR(仮想現実)」「カジノ解禁」「ドローン」など、興味のあるテーマをインターネット上で選ぶだけで、簡単に投資ができる「テーマ投資」。これを日本で初めて手掛けたのがオンライン証券のフォリオだ。

 同社は株式公開企業の財務データなどの解析を行い、テーマごとに10社の有望銘柄を選定するため、投資未経験者でも踏み出しやすく、実際、利用者の9割以上が投資の初心者と未経験者である。

 創業者の甲斐真一郎は、自らを「負けん気が強い」と評する通り、勉強もスポーツもトップでなければ気が済まない性格。京都大学法学部に入学後、アルバイト先などで「勉強ができる京大生」というレッテルを貼られることに反感を抱いた。

「運動もできることを証明してやろう」とボクシングを始め、わずか4カ月でプロのライセンスを取得。大学を1年休学してトーナメント戦にも出場した。

 結局、プロの世界の壁は厚く、プロボクサーの夢は諦めざるを得なかったが、厳しいトレーニングや試合前の過酷な減量で心身を追い込む経験は、後の起業において大きな武器となった。

 就職活動では、競争率が高くて優秀な学生が集まる業界と聞いた外資系投資銀行と外資系戦略コンサルに狙いを定め、中でも「全員がエース級の優秀な人たちで、まるで“銀河系集団”だった」というゴールドマン・サックス証券に引かれて入社を決めた。

 その後、転職したバークレイズ証券を含めて計10年間、トレーディング業務に従事した。だが、2000年代後半の金融危機以降、投資銀行はリスクマネジメントの縛りが強まり、仕事への魅力が薄らぎつつあった。