VRで人事考課? ウォルマート昇進判断に活用
VRの訓練を受けるウォルマートの従業員(米ペンシルベニア州ナトロナハイツ) Photo:Ross Mantle/The Wall Street Journal

 米小売り最大手ウォルマートは、管理職への昇進を希望する一部従業員の適性見極めに仮想現実(VR)のヘッドセット(250ドル)を利用している。

 同社は米民間企業で最も多くの従業員を擁する。新しい中間管理職を選ぶプロセスの一環としてVRの技能評価機能を使い、買い物客の怒りや乱雑な通路、働きが足りないスタッフへの対応を見ている。

 VRを使った訓練はさまざまな業界で拡大。多くの労働者を短時間で教育したり、電気技師や航空機の操縦士といった高技能労働者の技術力を見極めたりするのに使われている。しかし、従業員の長短所や潜在能力を測るウォルマートの活用法は大きな意味を持つ。VRによる評価が大量の時給労働者に拡大し、一部のケースでは昇給や降格の判断に使われるからだ。

 ウォルマートの幹部らは、VRの評価が従来の採用判断にありがちな偏りを抑え、多様性を高め、離職率を抑えると期待している。労働市場が逼迫(ひっぱく)するなか、同社は米国に150万人の従業員を擁している。

 幹部によると、VRの評価からそれぞれの長所と短所が書かれた人事担当者用リポートが作成され、昇進や追加の訓練実施といった判断に役立てられるという。

 ウォルマートがVRの訓練を広く使い始めたのは昨年だ。100万人を超える従業員に商品補充や新しい機械の利用法を訓練するため、米国の4600店舗全てのバックヤードにヘッドセットを追加した。共感を促すための訓練では、レジ係の目で見ている従業員が息子連れの父親を目にするというVRを体験する。父親は小銭を慎重に数えて列を渋滞させるが、結局小銭は足りないという状況だ。