定年直前に資産ゼロでも
家があれば何とかなる

 老後に借家の家賃を払い続けたり、住宅ローンの返済を続けたりするのはつらい。しかし、定年直前で家を持っていて、住宅ローン残高が金融資産残高と同額以内であり、定年後も65歳までは働いて生活費を稼ぐことができれば、普通は何とかなる。

 退職金と遺産の合計が2000万円あれば、それで大丈夫な計算だし、足りなければ65歳以降の老後も働けばいい。幸いなことに、少子高齢化による労働力不足の時代であるから、高齢者でも仕事を探せば容易に見つかるだろう。

 時給1000円で1日4時間、週に5日働くと、週に2万円、年に100万円、10年で1000万円になる。夫婦2人で2000万円だ。

 戦後、55歳が定年であった頃と比べると、最近の高齢者は元気な人が多いので、普通の高齢者なら、老後に10年働くことくらい何でもないだろう。

老後資金が足りなければ生活を見直して
それでも足りなければ節約しよう

 働くだけではない。老後の資金が足りなければ、生活を見直そう。無駄な保険に加入していないか、最近通っていないスポーツジムに会費を払い続けていないか。こういった見直しをすると、きっと生活費が減るはずだ。

 それでも足りなければ、倹約をしよう。報告書によれば生活費は26万円強であるが、これは平均であるから、必要最低限の生活費ではなかろう。「普通の人が楽しんでいる程度のささやかなぜいたく」をした結果の生活費だろう。そうであれば、ささやかなぜいたくを諦めて、必要最低限の生活をすればいいのだ。

 もちろん、低収入であったり、特別な事情を抱えたりするサラリーマンは、政府の保護等が必要となるだろう。とはいえ、普通のサラリーマンにとって「必要最低限の生活さえもできない惨めな老後」は、無縁だと考えていい。

 ささやかなぜいたくくらいはエンジョイしたい、という気持ちは誰もが持っているはずだ。そのためには他人より長く働く、若い時から貯蓄に励む、無駄な出費を頻繁に見直す、といった努力が望ましい。

 しかし、それを怠ると生活費が足りない惨めな老後が待っている、と考える必要はなかろう。世の中には不安を煽るようなことを言う人も多いが、惑わされないように気をつけたいものだ。