技術革新とグローバル化に特徴付けられた経済で低賃金労働者が成功するためには、まったく新しい技術を身に着ける必要があるとの説がある。賃金の低下と高失業率がその証拠だと、これまで長年にわたって考えられてきた。しかし、彼らが成功するために一番必要なものは時間だということが分かった。景気拡大期間が史上最長となり、失業率は現世代が経験した最も低い水準付近にとどまっている状況で、非熟練労働者らの処遇は大幅に改善されている。永続的な後退のように思えたものは、総じて循環的なものだったのかもしれない。非熟練労働者を支援するための議論は、主として最低賃金、職業訓練、教育水準の向上に関連したものだった。しかし、低失業率が最も効果的な対策となるかもしれない。もちろん、景気拡大が終われば、こうした労働者が新たに手にした幸せも終わるだろう。このことは、金利を低く維持し、恐らくはさらに低下させたいという米連邦準備制度理事会(FRB)の政策担当者らの意向を、一段と強めるとみられる。
記録的景気拡大の意外な勝者:非熟練労働者
現世代最低水準の失業率のなか、低賃金労働者の処遇は大幅に改善した
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