米利下げ・円高なら日銀はどう動く?追加緩和に必要な配慮と手段FRBによる利下げが現実のものになれば、円高になる可能性が高い。追加緩和を迫れる日銀にはどんな手段が残っているか Photo:PIXTA

 米連邦準備制度理事会(FRB)は、6月19日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、景気減速リスクが強まれば年内に金融緩和に転じる可能性を強く示唆した。フェデラル・ファンド(FF)金利の先物価格を見る限り、金融市場は次回7月31日のFOMCでの利下げをほぼ完全に織り込み、年末までにさらに1~2回の利下げを見込んでいる。FRBが緩和に動けば、円高が避けられず、日銀は追加緩和を迫られる可能性が高い。そのとき、どのような緩和手段が選択されるだろうか。

日銀がとりうる
6つの追加緩和手段

 いま日本銀行は2つの課題を抱えている。10月の消費税増税を控え、景気失速を避ける目先の政策運営と、金融政策の「正常化」を準備する中長期的な課題である。

 消費税増税を乗り切った後、資産購入からの脱却に一歩を踏み出すのが日銀にとってベストの展開だった。だが追加緩和必至の情勢となってきたいま、将来の「出口」を妨げない緩和手段を選択する必要がある。

 追加緩和手段として、今どんな案が取り沙汰されているか、まずはリストアップしてみよう。