過去の失敗が事業成長へのヒントに
このだんご屋さんも創業当初は、昔気質の職人にだんごの作り方やあんの配合をすべて任せていたといいます。しかし、些細なことで揉めてしまい、職人は会社を離れることになりました。ただ、幸い退職までの間に職人から技術を学ぶことができたそうです。
学んだ技術を残さなければならない。せっかく自分のところのだんごを気に入ってくれたお客さんをがっかりさせたくない一心で、外部の業者と連携してだんごの皮とあんのOEM製造に着手します。
特殊な配合、独自のレシピをOEM製造に落とし込むのにはかなり苦心したようですが、ついに成功します。職人がいなくても、わずか1日学ぶだけで今までと同じようにだんごを作れるほどの単純作業に変えることができたのです。
だれにでもできるという部分だけを聞くと、独自性がなく、簡単に真似ができてしまうとネガティブにとらえてしまいます。しかし、逆に考えると、だれにでもできるということは、どこにでも出店できることを意味します。
つまりそれは、加速度的に成長する可能性を秘めているということです。
だんごを作るための特別な人材教育も必要ありません。商品力さえ維持できれば日本国内はもとより、海外で外国人の従業員にも容易にできます。後は出店交渉と店舗管理能力さえあれば、事業は成長できると考えたのです。