社長の思いを継いで
世界進出を目指す

 苦労して育て、職人の離脱という苦境も乗り切ってなんとか継続してきた事業です。しかも、ようやく成長の可能性を見出し始めたときに自分の手から放さなければならなくなった不運に、社長は悔しい思いをしたはずです。

 そこから、閉店ではなく、現状維持を志向する買い手でもなく、もっとこのだんごを多くの人々に味わってもらいたいと考え、世界へ進出するという意気込みを持った買い手企業との縁ができたことは、非常に喜ばしいことでした。規模が小さく、独自性がないと思っていても、会社には隠れた強みが必ずあるはずです。それがなければ、会社が続いているはずはありません。

 どんな会社にも、生き延びるために知らず知らずに重ねてきた工夫があり、その強みは会社や社長にとってはあまりにも当たり前すぎて、気づかないだけかもしれません。本人はそう思わなくても、他の人から見れば素晴らしい技術であることは少なくありません。

 どのような仕事でも、継続には理由があります。あきらめることなく、自社の独自性を見直してみてほしいと思います。

※次回は、オーナーの人脈でもっているような会社が高く売れたケースをお伝えします(7月23日公開予定)。