日本人のビール離れが進み、市場の縮小が続く中、唯一の成長カテゴリーとみられていたのが「第3のビール」と呼ばれる新ジャンルだ。だがこの6月、その成長が「幻」だったと思わざるを得ない異変が起きた。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)
「第3のビール」の販売量が3.6%減
第3のビールの成長は幻だったのか――。
ビール大手4社の1~6月の酒類販売量が出そろい、ある数字に業界関係者の注目が集まっている。業界紙『日刊醸造産業速報』によれば、ビール類の累計販売量は前年同期比マイナス0.8%の微減となった。ビール類の市場規模は14年連続で縮小が続いているのが現状で、その傾向通りの数字にサプライズはない。
注目は、「第3のビール」と呼ばれる新ジャンル(麦芽以外を原料とするアルコール飲料)が、6月単月で前年同月比マイナス3.6%と減少に転じた点だ。
ビール類の販売量は、ビール、発泡酒、そして新ジャンルの合算だ。このうちビールと発泡酒は減少を続けているが、新ジャンルは昨年6月に前年同月比16.1%増という高い伸びを記録して以来、一貫して増え続けていた。ところが、今年6月に1年ぶりの前年割れとなってしまったのである。
この異変をどう見るか。