キリンの19年1~3月期決算は、新ジャンルの販売量が大幅に増えたにもかかわらず、ビール類の限界利益が12億円減少している。

 キリンはPBの販売量を公表していないが、安価なPBの売り上げ増が利益を圧迫しているとみられる。何しろバーリアルの本体価格は350ミリリットルで税抜き78円。まさに薄利多売の典型だ。

RTD陳列イメージ手軽に飲めるRTDがビール系飲料のシェアを奪っている Photo:PIXTA

 ビール類の販売が落ち込む一方で需要が伸び続けているのが「RTD」だ。「レディ・トゥ・ドリンク」の略語で「割ったり混ぜたりする必要がなく、栓を開けてすぐ飲めるアルコール飲料」を指す。キリンの『氷結』やサントリーの『ストロングゼロ』などが人気商品で、安価で高アルコール、一缶で酔えるコスパの高さが消費者に受け入れられている。

 大手4社もRTDに注力してはいるが、あるメーカー幹部は「RTDは参入障壁が低く、開発競争も激しい」と嘆く。

 各社の悲願は、何といっても利益率が高いビールへの需要回帰だろう。そのため“ビール風”の新ジャンルをエントリーユーザーにも手に取ってもらい、ビール離れの歯止め役となることが期待されていた。

 だが、実は新ジャンルがその役割を果たしておらず、ビール離れの受け皿の底が割れているのだとすれば、戦略の見直しを余儀なくされることになる。

 果たして新ジャンルの販売量は7月以降にどう動くか。秋には消費増税も実施される。ビール会社にとっては試練の下半期となりそうだ。