安倍氏のウーマノミクスも争点、日本の参院選Photo:Reuters

【東京】今月の参議院選挙の選挙戦で、日本の各政党は女性の自由の拡大を訴えるとともに、過去最多の女性候補を立てている。これは同国経済を左右する構造的な変化を捉えたものだ。

 安倍晋三首相は「ウーマノミクス」という考え方を経済再生計画の中心に据えている。労働年齢人口が減少する中で経済成長を促進するため、これまで活用されていなかった階層の人々を労働力に組み込むのが狙いだ。

 首相の就任以来6年半の間に、200万人以上の女性が労働力に加わった。男性を大幅に上回るペースだ。現在15~64歳の女性の就業率は70%以上で、男性の86%に接近しつつある。

 世論調査によれば、安倍首相率いる与党連合は21日投開票の参院選で議席の過半数を維持する見込みだ。今回の選挙では、衆参両院のうち影響力の小さい参院の議席の半分が改選される。

 安倍氏の政権基盤を弱めたい野党の候補らは、有権者の過半数を占める女性が変化のカギを握ると主張。給与面での根強い男女格差や、女性労働者の多くがパートタイマーであることなどを争点に掲げている。