役員を何人も雇い、形だけ部門を割り、できない幹部も同じ椅子に座り続ける…(写真はイメージ) Photo:PIXTA
なぜ日本のスタートアップ界隈、東証グロース市場が低迷しているのでしょうか。世界的なAI株ブームや米国で大型IPOが続きそうな事実と比べて考えると、日本の上場「審査」という「慣習」に問題点があるのでは、と思わずにはいられません。どういうことか、経営者目線で解説します。(トライズ代表 三木雄信)
日本の株式上場審査において
最も「ダメ出し」される要素とは?
6月12日に米ナスダック市場に新規株式上場(IPO)したSpaceXの株価が、早くも大幅に値下がりしていると話題です。売り出し価格は1株135ドル、集めた資金は日本円で約12兆円。史上最大級のIPOと注目され、一時は1株225ドル台を記録するほど上昇していました。ところが、7月27日時点では1株113ドル付近と価格変動が激しい銘柄となっています。
SpaceXに続いて、AnthropicとOpenAIも上場を申請しています。報道によると、Anthropicは10月にもIPOの可能性があるとみられています。一方、OpenAIも早ければ今秋に上場とウワサされていましたが、来年に延期する可能性が報じられました。
いずれにしても3社に共通するのは、AI(人工知能)投資が凄まじいというだけでなく、日本では考えられない、しかし米国では受け入れられる型破りな経営形態です。
最も分かりやすい例が、イーロン・マスク氏がSpaceXの会長と技術トップと設計責任者をひとりで兼務していることでしょう。さらに、EV(電気自動車)のテスラなど他社でも複数の重要な役職を兼務しています。
マスク氏の支配の集中ぶりは、SpaceXの議決権にも表れています。上場後も議決権の半分以上を握り、取締役会メンバーの過半数を選ぶことができるようで、もし経営に問題があっても事実上、マスク氏は解任されないとみられています。
創業者への権力の集中や議決権の偏りは、日本の上場審査において最も「ダメ出し」される要素です。しかし、なぜ米国では受け入れるのでしょうか。







