電気モーターを搭載した5人乗りの旅客機が先日、ロサンゼルス近くをテスト飛行した。
製造から50年近くたつセスナ「スカイマスター」を改造したもので、手掛けたのはカリフォルニア州に拠点を置くスタートアップ企業アンペア(Ampaire)。機首のプロペラには通常のエンジンが使用されているが、後部のプロペラは電気モーターで動いている。
「いわばプラグインハイブリッド車(PHV)のようなものだ」。アンペアの共同創業者、ケビン・ノートカー最高経営責任者(CEO)はこう話す。同社では自動車用の部品を航空機用に改造して一部に使用している。「まさに陸上の電気自動車(EV)に便乗している」とノートカー氏。
航空機メーカーは大手も新興企業もこぞって電気航空機の開発に取り組んでいる。自動操縦可能で垂直に離着陸でき、数十年後には多くの乗客を都市や郊外で輸送する可能性を秘めた飛行機だ。米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズは、2023年に電動の垂直離着陸式航空機を使用した輸送サービスを開始することさえ計画している。