ロシアやイラン政府などが関与していると見られるハッカーらが、過去1年間で800回近くのサイバー攻撃を米国の政治組織などに仕掛けていたことをマイクロソフトが確認した。標的となったグループの大半は米国に拠点を置いていた。中でも政党や選挙候補などと協力するシンクタンクや非政府組織(NGO)に対するサイバー攻撃は最も多く、欧米で近年見られる選挙システムなどへの直接的な攻撃の前兆かもしれないと同社は述べている。米情報機関の高官らは2020年の大統領選に向け、他国政府が政治的混乱を引き起こす準備を進めていると繰り返し指摘しているが、今回の新たな発見はその兆候と言える。連邦政府機関は16年以降、選挙のセキュリティーを高めるためより多くのリソースを投入しているが、十分な資金を持たない選挙キャンペーンなどはこれら攻撃に対し脆弱(ぜいじゃく)性を抱えている。共和党が過半数を握る米上院も、この問題に対処するための法案を20年の大統領選までにまとめることはないと見られる。