「よくあるんですよ。でも、病院ではやってくれないみたいですね。思い出の品ですものね、できれば切断したくないですよね」

 口々にアドバイスしてくれながら作業していると、署内にサイレンが鳴り響いた。

「市内○○地区にて急病人発生」

 アナウンスが流れ、「すみません、交代しますので」

 作業を中断して、数人が立ち上がる。

「どうぞどうぞ、出動してください。すみません」

 別に千春さんが許可しなくても、急病人が最優先に決まっている。

 交代したオレンジ隊員が再び糸を巻いて指輪を動かし始めた。

「大丈夫ですか?」

「全然大丈夫です」

「痛いですよね、大丈夫ですか?」

「我慢できます」

 だが、関節のあたりまでくると、やはりきつい。物理的に不可能だ。これで抜こうなんて無謀過ぎる。

「ガッ‼痛いです。無理です。やっぱり切ってください」

 耐えきれず、懇願した。

 そうして、ついにリングカッター登場。