GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムの頭文字)という文字を見ない日はない。インターネットやモバイル、ソーシャルメディア、電子商取引で市場を独占するような圧倒的な量の顧客基盤を持ち、そこから得られるデータと、AI(人工知能)によって、GAFAの牙城は当分崩れそうにないと思われている。では、日本企業には希望はないのだろうか。
まず、大きな流れを見てみよう。
シリコンバレーのテクノロジーマーケティングの祖であり、私のかつてのボスでもあったレジス・マッケンナがインターネット商用化の頃から予言していた世界が現実のものとなりつつある。すなわち、全ての人がネットワークでつながり、リアルタイムで双方向の交流をするようになる。あらゆるモノはサービス化し、一人一人にカスタマイズされたサービスが提供されるようになる。そうして集められたユーザーからのデータが、さらに新しいサービスを生むという循環ができる。
今、まさにそれが実現しつつある。例えば自動車がモビリティーのサービスに転換されることに異を唱える人はいなくなった。
だが、あらゆる分野でモノとサービスの境がなくなっていく進化過程は、GAFAだけが引っ張っていけるような規模の変革ではない。日本企業にも十分にチャンスはあるだろう。だが、これからの勝負どころをしっかりと見極める必要がある。