スキルは経験を積んだり、知識をつけることで、少しずつ鍛えていくことができます。一方、モラルはその人がもともと持っている価値観なので、なかなか変えることができません。

 したがって、モラルが似通っている人のほうが、「成長の伸びしろ」があるといえるのです。

 まずはモラル感覚が近いチームを目指し、スキルは日々の仕事の中で少しずつ向上させていく。つまり、「スキル」より「モラル」を重視するということが、「すぐやるチーム」をつくるための鉄則なのです。

価値観=モラル感覚のズレが
チームの「摩擦」を生む

 いきなりですが、質問をひとつ。

 打ち合わせの時間に数分だけ遅れそうなとき、あなたなら、

(1)真っ先に先方に連絡してその旨を伝える

(2)連絡する時間があったら、その分一秒でも早く着くようにする

 どちらを選びますか?

 この質問には、「正解」がありません。先方の時間を奪わないように連絡しておく、というのも大切ですし、相手を待たせるのは悪いから、一刻も早く到着を目指す、というのも間違ってはいないでしょう。

 実際、この質問を何人かにしてみると、人によって答えが違うはずです。

 (1)と答えた人は、「ビジネスは時間厳守が鉄則」という価値観の持ち主。時間に対してシビアな感覚を持っている人だといえます。

 一方で、(2)と答えた人は、「ビジネスは人間関係が大切」という価値観を持っている人。相手との関係を大事にしている人です。

 こうした正解、不正解と断定できない、その人の考え方や行動原理が「モラル感覚」です。モラル感覚は人それぞれ異なっていますが、大事なのは、チームの間で価値観が一致しているかどうかなのです。