米次期大統領を目指して何十人もの熱意ある、経験豊富な候補者が民主党の指名争いを繰り広げているさなかに、まるまる一週間にわたって候補者でもない4人の新人女性議員が世間の耳目を集めた。このことは米国の政治が異常な状況にあることを示す一つの証拠だ。明らかに同調しがたいトランプ大統領の人種感覚をどう思うかはさておき、同氏が自分の望むところに国民の関心を引き付ける天才であることは否定できない。議員になってやっと半年のこの4人組は政治経験が浅いだけでなく、どこから見ても急進的だ。大学のキャンパスで見られる、「ノープラットフォーム」(容認できない考えを持つ人物に公の場で話をさせないこと)を訴える抗議運動であれば、彼女たちの意見は拍手喝采を浴びるかもしれない。しかしペンシルベニア州やウィスコンシン州の郊外に暮らす多くの白人浮動票有権者を取り込むことはおそらくないだろう。