――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト ***  金利に関して、米国と欧州の状況は好対照だ。  近く予想されている利下げについての大きな懸念は、米国で過度の借り入れが促され、債券、株式市場のバブルが助長されることだ。一方で、欧州で予想される利下げへの大きな懸念は、中銀のマイナス金利政策にもかかわらず、企業、家庭、政府が債務削減を進める中で、借り入れが抑制されることだ。  もちろん、米欧には共通する問題もある。インフレ率はいつまでも低いままであり、失業率がこれほど低い中でも賃金上昇率は驚くほど低い。