【バロンズ】ソフトバンク株、今なら投資妙味Photo:Reuters

多様な資産を所有するソフトバンクグループ

 ソフトバンクグループ(9984)は、プロ野球チームから電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング(阿里巴巴集団、BABA)の持ち分1160億ドルに至るまで、多彩な資産を保有している。代表取締役会長兼社長である孫正義氏は、ポートフォリオを銀河の星に例え、「300年にわたって輝き続ける」と語る。同社は未来に投資するための非常に割安な手段を提供している。株価のバリュエーションは極めて安く、サムオブザパーツ(SOTP)分析に基づくと資産価値を30~50%下回る可能性がある。同社への投資について理解するのは大変だが、リターンは大きいかもしれない。

 最も重要なのは、ソフトバンクグループの株式にはビジョン・ファンドの価値が含まれるということだ。同ファンドは運用資産額1030億ドルのベンチャーファンドで、ライドシェア大手ウーバー・テクノロジーズ(UBER)、シェアオフィス大手ウィーワーク、ビジネス向けメッセージサービス大手スラック・テクノロジーズ(WORK)など多くの企業に投資する。現在のソフトバンクグループの株価からすると、ビジョン・ファンドは実質的に無料である。

 孫氏は今後300年に及ぶ投資計画について、以下のように本誌に語った。「当社は長期にわたって持続可能なエコシステムを生み出している。産業革命が始まったのは数百年前だが、今でも私たちの生活の重要な部分であり続けている。情報革命は今後数百年にわたって続くだろう。当社は長期的な視点に立って、エコシステムが持続するためのアーキテクチャーを設計している」