ソフトバンクグループ 孫正義
ソフトバンクグループの孫正義社長 Photo by Reiji Murai

 「ビジョンファンドへの情熱が私の情熱の97%。ほとんど頭も胸もいっぱい」――。

 ソフトバンクグループの孫正義社長は5月9日、東京都内で開いた決算会見で運用金額10兆円規模の投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」に注ぐ情熱を熱く語ってみせた。

 同日発表した2019年3月期の連結決算において売上高は前期比5%増、営業利益は同81%増で初めて2兆円を超える過去最高益となった。当期純利益は3年連続で1兆円を超えた。

 営業利益の急増は、孫社長がひたすらに情熱を注ぐビジョンファンドの寄与が大きい。この投資ファンドが生んだ利益は1兆2566億円で、連結営業利益の53%を占める。

 ビジョンファンドは、配車アプリの米ウーバーテクノロジーや中国滴滴出行(DiDi)、インドの格安ホテル運営会社OYO(オヨ)をはじめ、人工知能(AI)など革新技術を持つ世界中のユニコーン企業に投資している。こうした組み入れ株式の含み益が連結営業利益を押し上げた格好だ。

 特に、中国オンライン医療アプリの平安健康医療科技(ピンアン・ヘルスケア)と、AIによる血液生体検査サービスの米ガーダントの2社の新規上場は含み益を一段と膨らませた。

 また、ネット通販大手のフリップカートは米ウォルマートへの株式売却で1467億円の利益を計上。株価が急落した米半導体のエヌビディアについては、デリバティブ(金融派生商品)取引を駆使して損失を最小限に抑えて1月までに全株を処分するなど、見事なポートフォリオ運用を見せつけた。