「少し頭が痛い」を放置してはダメ
けいれんを起こし死に至るケースも

――熱中症の症状を教えてください。

 初期症状としては「頭がボーっとする」「くらっとめまいがする」「ちょっと気持ちが悪い」「少し頭が痛い」などが挙げられます。ただ、これらは人によって感じ方が違う上に、熱中症を経験したことがなければ「寝不足や単なる疲れかな」と思ってしまうかもしれません。そして、そのまま水分補給をせずに、炎天下を歩き続けてしまう。この段階では普通に会話もできるため、周囲の人間も気づきません。

 しかし、実のところ徐々に体温が上昇しており、突然けいれんや意識障害を起こしてしまいます。こうなれば、一刻も早く救急車を呼ばなければなりません。手遅れになれば死に至るケースもあり、また、命は取り留めても、認知障害や運動機能障害などの後遺症を患う可能性もあります。

 オーストラリアのRoyal Adelaide HospitalのEmily M. Lawton氏らによる調査では、2000~2016年に発表された熱中症関連文献の熱中症90例のうち、約2割が死亡、2割が長期の後遺症を患っていたとのことです。

――初期症状のうちに速やかな対策が必要ということですね。

 それよりも、「症状が出ないように、事前に熱中症対策を講じる」という考えの方が適切でしょう。前述のように、初期症状ではすぐに「これは熱中症だ」と思わない可能性もあるからです。

医師が教えるおすすめの
対策グッズ・飲み物・食べ物は?

――どのような対策が有効ですか?

 まずは、こまめな水分摂取です。喉が乾いてから飲むのでは遅いといえます。クーラーが効いた室内で過ごしている人以外は、「1時間に1回」などと時間を決めて、定期的に水を飲むとよいでしょう。