米製薬大手ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は事業取引の時宜を心得ている。ファイザーは特許切れ医薬品部門を後発薬大手マイランと統合させることで合意した。ファイザーの株主は統合後の新会社の過半数株を保有する。新会社はアナフィラキシー補助治療剤「エピペン」や高脂血症治療薬「リピトール」、ED(勃起不全)治療薬「バイアグラ」などよく知られた製品を扱うことになる。合意発表を受け、マイラン株は29日午前の取引で急騰した。4-6月期(第2四半期)決算を発表したファイザーの株は売りに押されたが、株主は安心すべきだ。後発薬業界は非常に厳しい状況にある。米国では薬剤給付管理(PBM)大手の合併を背景にメーカーの価格が押し下げられている。このため業界各社の売上高が減少し、株価は急落した。こうした厳しい現実に立ち向かう上で、規模の拡大は一つの手段となり得る。マイランは海外にも広く展開し、高額なバイオ医薬品の廉価版など、高評価の新製品候補も数多く保有している。
ファイザーの後発薬戦略、割安で賢明な一手
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