「感情をモニタリングする」だけで
トラブルを生む行動は止められる

 まず、想像のなかで自分の感情や行動をモニターする「モニタリングルーム」を持ってください。

 もし心がざわつく場面に出くわしたら、このモニタリングルームに駆け込んで、心をよく観察しましょう。たった数秒の間「あ、今、とても腹が立っているな」とか「あ、傷ついた」と意識するだけで、一瞬、客観的になれる間が自分を冷静にしてくれるので、感情的な行動を踏みとどまる効果があります。

 ただし、急にできることではありませんので、平常時からのトレーニングが必要です。通勤時間や入浴のときなど、ちょっとした一人の時間に、今、自分の感情はどんな感じか、をモニターしてみる癖をつけてみてください。これを習慣化することができれば、心のなかに引っかかっていた過去の感情を整理するのにも役立ちます。

 自分の感情に目を向けることは、「自分となかよく」することでもあり、仕事も私生活もスムーズになります。その大切さを、スタッフに向けて発信するようにしています。

 サンリオの理念は「みんななかよく」です。サンリオピューロランドは「みんななかよく」を、お客様に体験していただくテーマパークです。そのためには、まずスタッフ同士の関係をよりよくすること。さらにたどれば、スタッフの1人ひとりが「自分となかよく」することが原点になると考えているからです。
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