日本マクドナルドの業績が好調だ。2018年の既存店売上高は前年比6.9%増で、前年比プラスは3年連続。14年の鶏肉偽装問題や、翌年の異物混入問題で経営危機に瀕した“外食の雄”がV字回復を果たしたのはなぜか。サラ・カサノバ社長兼CEOに聞いた。(ダイヤモンド・オンライン編集部 田島靖久、週刊ダイヤモンド編集部 重石岳史)
ピーク時の業績には達しておらず
決して満足はしていない
──2016年12月期以降、日本マクドナルドの業績好調が続いています。「復活」を果たしたという認識でしょうか。
サラ・カサノバ(以下、カサノバ) それは現状をどう見るかによります。例えば顧客満足度や平均店舗月商は01年の上場以来、過去最高水準に達しました。しかし全店売上高や営業利益は10年12月期のピーク時には達していない。今の状況を大変うれしく思っていますが、決して満足はしていません。
──とはいえ、ここまで回復できた要因は何でしょう。
カサノバ 2つあります。1つは、消費者の声を聞いて正しい計画を立てたこと。まず私たちがやらなければならなかったのは、客がマクドナルドに何を期待するかを把握することであり、そのために全国の消費者から意見を聞きました。その中で多くの方から言われたのが「マクドナルドはマクドナルドらしくあってほしい」ということ。おいしいバーガーとポテト、モダンできれいな店内環境があり、そしてスマイルでサービスをする、そんな楽しいマックにもう一度戻ろうと、15年に策定したのが「ビジネスリカバリープラン」です。