断っておくが、筆者は、今回の行動について、個々の議員さんを軽蔑したり、なじったりしたいわけではない。

 彼らの1人1人は政治業界で働く「一生活者」であって、会社勤めのビジネスパーソンと変わらない。勤め人は、良くない(会社のため、顧客のため、あるいは社会のために)と思うことでも上司の指示に黙って従うことがあるし、社内に告発すべき悪事を見つけても、自分の立場や生活を省みて、十分にできないことがある(筆者自身にも経験がある)。

 経営者とて、顧客や業界の顔色を見て、長いものに巻かれる。社会人は不自由なのだ。だが、その表れ方、表し方には、つくづく個性がある。

親分に離党届を預けたのに
後で「離党しない」と言い出す議員

 たとえば、今回の小沢グループの離党劇でも、小沢氏に事前に離党届を預けていたものの、後から「自分は離党しない」として、これを撤回した議員さんが2名いた。小沢氏に離党届は預けていたが、提出を委任したわけではない、という理屈らしい。

 かわいがってくれた、あるいは共感していた上司に「一緒に行動するか」と言われて、「はい」と答えて辞表を預けたものの、一緒に会社を辞めて新会社をつくる段になって、大会社を辞めるのが惜しくなるとか恐くなるというようなことは、ビジネスの世界でもよくあることだ。だが、今回、彼らが何と何を比較して、何を取ったのか、心の内を聞いてみたい気がする。

 それ以前に、法案の採決で、主に欠席ないし棄権に回った、(「与党議員として賛成票を投じた」という方もいる)俗に「中間派」と呼ばれる議員さんたちの行動も興味深かった。

 彼らの中には、会社で言うと平社員ばかりでなく、一家言持っていて存在感のあった管理職クラスの議員さんもいた。彼らの多くは、少々前の段階で、現段階での消費税率引き上げに反対していたし、税率引き上げの前提条件として景気・物価に関する条件を入れることが重要だと主張していた人もいた。