だが、ルノー問題を沈静化させて6月末の株主総会を乗り切ることが最優先された。波風が立たぬように、5月に対外的に公表されたリストラ計画は踏み込みの甘いものにならざるを得なかった。

 そんな経緯を経て提示されたのが、今回の「大リストラ計画」である。

 まず、23年3月期までに不採算モデルを10%以上削減する。13年より展開されている新興国モデル「ダットサン」を中心に、打ち切りにしてゆく方針だ。ダットサンの積極展開は、三菱自動車への資本参加と並んで、規模拡大路線をまい進したカルロス・ゴーン氏の代表施策ともいえるもの。経営陣にとって、ダットサンの否定はゴーン路線の否定でもある。

 そして何といっても、リストラ計画の肝は、23年3月までに世界の日産グループ従業員の10%に相当する1万2500人を削減することだ。

 7月25日、アナリスト向け説明会で開示された資料では、20年3月期までに、世界8拠点で合計6400人を削減する計画の詳細が示された(上図参照。現在は、日産ホームページ上での生産拠点・人数の内訳は非開示になっている)。

 8拠点の内訳は、削減人員が多い順に、インド(1710人)、米国(1420人)、メキシコ(1000人)と続く。国内では栃木県と福岡県(日産自動車九州)の生産拠点2ヵ所で880人もの要員を減らすというものだ。

 23年3月期までに、残り6拠点で6100人が削減される計画になっているが、その中身は明らかにされていない。