6月25日、日産自動車の株主総会が開催され、西川廣人・社長の続投が決まった。ルノーも社内の反乱因子もコントロールできたかのように見える西川社長だが、前途は多難だ。(ダイヤモンド編集部 浅島亮子)
株主総会前日の6月24日夜、予定されていた日産自動車の取締役会が、急きょキャンセルになった。
当初、西川廣人・日産社長が報酬に関して取締役会による聴取を受けることになっていたという。
問題視されたのは、「SAR(株価連動型インセンティブ受領権)」と呼ばれる業績連動報酬だ。
事の発端は、カルロス・ゴーン氏と共に逮捕された日産元幹部が応じた月刊誌のインタビューにある。元幹部が、「西川社長が不動産の購入資金を調達するために、SARの金額が決まる行使日を不正にずらすことで高額報酬を得た」と主張。聴取はその真偽確認のために設けられたのだ。
ところが、予定の数時間前になって、西川社長から聴取取りやめの申し出があったのだという。