これこそが、グループのナンバー2に君臨する後藤副社長が、加盟店の事情を理解していないことの証左である。

 もし、7Payがトラブルを起こすことなく利用が広がっていれば、消費増税後のポイント還元を求め、セブン-イレブンの店頭で7Payを使って決済する買い物客は、さぞ増えていたことだろう。

 PayPayやメルペイなど他社のキャッシュレス決済は引き続き利用できるとはいえ、セブン-イレブンというブランドへの信頼感や、nanacoポイントと紐づいた7Payだからこそ使いたい、という利用者も多くいたはずだ。なにせ、セブン-イレブン・ジャパンの永松文彦社長が7月1日の7Pay発表記者会見で、「クーポンの付与などで500億円を投じる」と意気軒高に語っていたのだから。

 10月の増税後は消費の落ち込みに加え、最低賃金の上昇も懸念され、加盟店の苦境はさらに強まる。このタイミングで7Payの利用やクーポンの付与が進み消費が活性化すれば、加盟店の経営の一助となっていたことだろう。

 また、他の先進国や中国に比べて普及が大きく遅れているキャッシュレス決済は現在、国策として進められている。だからこそ、ヤフーやLINE、メルカリなどIT大手が莫大なコストをかけて利用者への還元策を実施し、サービス拡大に努めているのだ。そこに後発で乗り込んだ“コンビニの王者”が、とんでもないトラブルを引き起こしたという構図だ。

 東京都八王子市でセブン-イレブン八王子万町店を経営する増田敏郎さんは、「キャッシュレス決済全体に泥を塗った幹部は、経営責任を厳しく問われるべきだ」と怒りをあらわにする。