いずれにせよ、上司が部下に遠慮してどうするんだ、という話です。部下はさまざまな仕事を経験して成長していくものなのに、そのチャンスを奪うことにもなります。

 もし、「どう思われるのか」が気になるのならば、「忙しいとは思うが」「君の成長につながる仕事だから」などと一声かけつつ、仕事を任せればいいのです。

タイプ(3)教える手間と時間をかけたくない

 3つ目は、「ラクをしたいと考える」ことです。

 モラル感覚が異なる部下に仕事を任せるのは、決してラクではありません。教えるのに時間がかかるし、失敗したときにはフォローしなければならず、かなり負担が大きいものです。そういう意味では、部下に任せるより自分でやったほうがラクです。

 けれども、これは少しおかしな考え方です。本来、人に任せたほうがラクなはずですから。

 このタイプの人は「目先のラク」しか頭にないのでしょう。部下に任せると、最初は大変な思いをしますが、そんなのはほんの一時だけのこと。仕事を任せられた部下が仕事を覚え、能力が上がっていくにつれて、教える手間と時間がほとんどかからなくなります。

 その分、上司はラクになって、「自分の時間」を手に入れることができます。リーダーとしての仕事に全力を注げるわけです。

 目先のラクに走る人は、「何年経っても部下を一人前に育てられない」という「将来の苦労」を背負い込むことになります。「長期的視点の欠如」という部分でも、リーダー失格といわざるをえません。

 日々の仕事を思い返してみてください。この3つが原因で、部下に仕事を任せられていないことはないでしょうか。「任せられない上司」は、当然ですが、チームをうまく回していくことができませんし、部下も自主的に動くことをやめてしまいます。

 こうした人は、なんでも自分でこなしていたプレイヤー時代の考え方・働き方から脱却して、部下のマネジメントを仕事の中心にしていく必要があるのです。