ビッキー・ホラブ氏はエンジニアとして3つの大陸を渡り歩き、米石油大手オキシデンタル・ペトロリアムのトップに上り詰めた。合併・買収(M&A)の経験に乏しいホラブ氏は批判する側にとって、くみしやすい相手だった。ホラブ氏は最近、同業アナダルコ・ペトロリアムを380億ドル(約4兆500億円)で買収して、パーミアン盆地でシェール生産を拡大するという大胆な賭けに出た。この計画には、多大な調達コストがかかってもウォーレン・バフェット氏からの資本調達が欠かせない。アナダルコが望まないオキシデンタルの株主による投票を回避するためだ。投資家は計画に納得しておらず、今月1日夕方時点のオキシデンタルの株価は、アナダルコに初めて買収を提案した4月下旬比で15%安となった。そして誰より声高に不満を表明したのが、富豪でアクティビスト投資家(物言う投資家)のカール・アイカーン氏だ。アイカーン氏はホラブ氏を初心者扱いし、傲慢(ごうまん)なホラブ氏がバフェット氏に「ごっそりやられた」と断じた。