――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  世界の中央銀行は10年超にわたり、インフレ率を目標(大抵は2%)まで引き上げようと躍起になってきた。しかし、この仕事は報われていない。インフレという概念は無意味なことが多いとあってはなおさらだ。  米連邦準備制度理事会(FRB)は7月31日に約11年ぶりの利下げに踏み切った。失業率は50年ぶりの低水準に近く、基本的な消費者物価の伸びは上昇に転じつつあるのにだ。投資家も金利を設定する側も、もはやインフレを懸念していないように見える。