N国党は
別物にすり替わってしまった

 とにもかくにも“手当たり次第にとった”というところだったのだろう。結果的に入党してきたのは日本維新の会を除名された丸山穂高衆院議員、そして入党は断ったものの会派を組むことになったのは元みんなの党代表で、同じく日本維新の会を除名になった渡辺喜美参院議員。それでもこれで衆参両院に足場を築くことができたとともに、参院での国会活動が可能となったわけである。

 しかし、N国党の立花孝志代表と渡辺喜美参院議員による会派結成の記者会見から明らかとなったのは、「これから何をしたいのか分からない」「何をするのか具体的なことを考えていない」という同党の姿であった。

 しかも会派名は「みんなの党」。行き場を失っている渡辺喜美参院議員、3年後の改選を考えればN国党からの打診はまさに「渡りに船」だっただろう。

 つまりはN国党の方が立場上は優位なはずなのであるが、会派名とはいえ、彼らの哲学というか信条である「NHKから国民を守る」という名称をあっさりと捨ててしまった。

 むろん、渡辺喜美参院議員から「みんなの党という名称を」と強く要望されたのかもしれない。しかし、だからといって「みんなの党」では、「NHKから国民を守る」になんとなくでも期待をして投票した有権者を裏切ることになりはしないか。

 政策的にも同様で、「みんなの党」のアジェンダをそのまま取り入れるようである。「みんなの党」のアジェンダにはNHK問題は触れられていないし、放送政策についても主要政策には挙げられていない。現に渡辺喜美参院議員は記者会見の場で「NHK改革について深く考えたことはない」と明言している。これでは、院内会派として見る限り、N国党は別物にすり替わってしまったと言ってしまっても過言ではあるまい。

 しかも渡辺喜美参院議員が会派の代表であり、記者会見では「会派結成を第一歩としてみんなの党の復活を成し遂げたい」とまで発言している。ここまでくるともうN国党は、渡辺喜美参院議員の言うところの「みんなの党」そのものである(あえて「~言うところの」としたのは、今回の会派結成を巡る一連の動きを見た元みんなの党所属議員や関係者からは、「みんなの党の名称を使ってほしくない」「もう(自分自身は)元みんなの党だとは言いたくない」といった見解が聞かれたことによる。彼らの心中を察するに余りある)。