“モノ対モノ”の高速通信を可能にする5Gが
どのようなカーライフをもたらしてくれるか

 将来の自動車にとって、外部とのデータのやりとりは非常に重要であり、5Gになれば“できること”は多い。その一方で、通信方式の標準化も必要だ。日本では14年に5GMF(第5世代モバイル推進フォーラム、NTTやKDDIなど120社以上が参加)が立ち上げられ、通信仕様の統一や技術開発の方向性のすり合わせなどが進められている。16年には毎秒20ギガバイトの大容量通信に成功。これは現在のLTE通信比で約100倍に相当する。また、KDDIは17年に「5Gと高速道路を走行中の車両との間で、通信基地局の切り替えに成功した」と発表している。周波数の特性上、5Gは4G比で通信距離が短くなる。このため、基地局間で通信を引き継ぎ、途切らせない技術が重要になる。

 日本の5GMFのような標準化団体は韓国、欧州、米国にも存在する。日本車が世界中で販売されている現状では、地域ごとの5Gに適合しなければならない。スマートフォン端末は、米・アップル、韓国サムスン、中国ファーウェイがビッグスリーだ。端末メーカーと自動車メーカー、あるいは通信事業者と自動車メーカーがどのように連携していくかという点で、日本の発言力はそれほど大きくない。欧州では欧州なりのルールが敷かれ、中国では中国のルールが敷かれる。

 この点について、日本の自動車メーカー各社は「過大な負担にはならない」と考えているようだが、日本メーカーの世界生産台数2700万台のうち日本国内需要は約550万台、全体の約20%にすぎない。場合によっては“世界標準に日本が合わせる”という展開もあり得る。

 IoT(インターネット・オブ・シングス)やM2M(マシン・トゥ・マシン)など“ヒト対モノ”ではなく“モノ対モノ”の高速通信を可能にする5Gが、どのようなカーライフをもたらしてくれるか。この全容が明らかになるのは、わずか数年後である。

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(報告/牧野茂雄、まとめ/CAR and DRIVER編集部)