――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト
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市場の心理的節目とされる水準が実際に大きな意味を持つことは珍しい。しかし、1ドル=7人民元を超えた5日の元安は重要だ。貿易戦争の新たな戦線を示唆しており、投資家に大きなリスクをもたらす。
その中で最も明白なリスクは、やはり考えにくいが、中国が2015年に踏み切った元切り下げという過ちを繰り返すことだ。当時は元の空売りが相次ぎ、事態の収拾に数カ月を要した。国際投資家の目に映る中国指導層は、金融のあらゆる手段を持つ経済の天才から一夜にして無知な共産主義者へと変貌し、株価は下落した。
株価は今回も急落したが、下落率は15年8月につけたS&P500種株価指数の11%安を大きく下回っている。
さらに良いのはこの1年の貿易紛争との比較かもしれない。