その点で考えると、N国党にはまだまだ成長のポテンシャルがあると思います。ただ、次の国政選挙で上に伸ばせる余地があるとは思えるものの、このままの主張では限界もあります。なぜなら、NHKの受信料制度を変えていこうという考えに賛成の人が多い一方で、そのことだけが国民にとって重要な政策ではないからです。

 特に今回、N国党が大量の票を獲得した要因の1つとして、安倍政権に反対する人の票の行き場が他になかったという事情があります。与党のやり方には不満だが、野党に対してはもっと不満が大きいという層にとって、わかりやすく自分の意思を表明するためにN国党に賛成するという人が現れた。

 それが3%を超えたことで、次の選挙では「こういう投票の仕方はありなんだ」と考える新たな支持者が現れる。だからN国党は、この次の国政選挙でさらに躍進する可能性がある一方で、N国党に野党として期待する票に一定の天井も存在しそうです。

N国党と手を組みたい政治家が続々?
一般国民に訴える連携戦略の優位性

 さて、そこで重要になるのが、今話題になっている「連携」です。維新の会を除名された丸山穂高衆議院議員が今回、N国党入りして話題になりましたが、このやり方は今後の日本の選挙戦においても1つのイノベーションを引き起こすかもしれません。

 つまり、ある野党政治家が、基本的にはそれぞれの政策や主張を持ちながら、「NHKに対するスタンスについてはN国党と志を同じくする」などと意見を表明し始めたらどうなるかです。それが丸山議員のように所属ではなく連携だったとしても、ただの野党候補の立場よりもN国党から推薦を受ければ、ずっと選挙戦を戦いやすくなるのではないかという論点です。

 これは、大衆から一定の支持を得ている論点にフォーカスしている、N国党の優位性です。完全に主義主張を一にする有力党員の政治家は獲得しづらい一方で、アフィリエイト的に手を組みたい政治家は山ほど出てくる構造があるのです。

 N国党の連携戦略は、今現在はその方法論を模索している最中だと思われますが、試行錯誤の末、次の衆議院議員選挙までにそのモデルが確立できたとしたら、そのときは多くの有力野党議員を巻き込んだN国党の躍進がニュースになる日がくるかもしれません。

 あくまで「未来予測の専門家」としての予測ではありますが、そのような未来が来る可能性を、ここで述べておきたいと思います。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)