さらに、Mに包含されるともいえるが、特に特筆すべき重要な能力に、組織が出した結果を「公平に評価する能力(E:Evaluation)」と「(成果に対する)報酬を適切に分配する能力(D:Distribution)」がある。

 不公平で偏った人事考課しかできない人は嫌われ、成果で得た報酬(お金や昇進だけでなく、社内での評判なども含む)をメンバーが納得する形でしっかりと分配できない者(独り占めするもの)などは、下からまったく尊敬されない。

 これらをまとめると、下のものから見て支持される上のカギとなる指標は、

P「目標達成能力」
M「集団維持能力」
E「公平に評価する能力」
D「(成果に対する)報酬を適切に分配する能力」

となる。

偉い人の覚えはよいのに、
下からは嫌われる人

 ここまで2つの方向から考えてきた、下の者としての特性と、リーダーとして必要な能力を掛け合わせてみる。

 そのうえで、「偉い人の覚えはよいのに、下からは嫌われる」という特徴の組み合わせの代表的なものをいくつかピックアップすると、このようなものがある。

評価独り占めタイプ
【下の者としてのあり方】(1)正しい情報をタイムリーに伝えてくれる人 × 【上の者としてのあり方】評価能力(E)、報酬分配能力(D)の欠如

 先を読む力があり、また現場をしっかりと把握していることから、上の目線に合わせて重要な情報をタイムリーに伝えることができる。しかしながら、分配面で自分だけ評価を得ようとしてしまい、下からの支持を得られない。上から見ると確実に現場の情報を伝えてくれて頼りになる存在だが、下から見ると自分たちのことはそっちのけで上ばかり見るヒラメタイプで、手柄を独り占めしようとする嫌みな人である。