ドル建て債を発行している中国の企業や機関に人民元の下落がもたらす影響について、投資家はどう感じるべきか。それはどこを見て、誰を信じるかによって変わってくる。最もマクロ的な指標である中国のバランスシートは安心感を誘う。中国の対外投資残高は差し引きプラスで、これは単純に、国外に有する資産が外国からの借入額を上回ることを意味する。国際決済銀行(BIS)のデータによると、非上場の政策銀行を含めた中国銀行システム全体でもやはり、ドル建て資産が負債を上回る。だが、細部を見れば話はもっと複雑だ。中国の四大商業銀行はいずれも国有銀だが、ドル建て資産はもはや負債を上回っていない。とりわけ中国銀行は、ドル建ての借入額の方が貸出額よりはるかに大きい。
ドル建て債の帝国となった中国、元安で浮かぶ弱点
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