ハートを持った手元写真はイメージです Photo:PIXTA

「恋は盲目」と言われるが、恋をしているときのドキドキは気持ちの問題だけではないかもしれない。精神科医のTomy氏が、恋から愛へと移り変わる心のプロセスを脳内物質の視点から読み解く。※本稿は、精神保健指定医の精神科医Tomy『愛の処方箋』(光文社)の一部を抜粋・編集したものです。

「神経伝達物質」と「愛」は
どのような関係にあるのか

 神経伝達物質とは、神経細胞間の情報のやりとりを行っている物質です。非常に多くの種類が見つかっており、その作用は大変複雑です。これら神経伝達物質の機能に何らかの異常が起きると、精神疾患などにつながると言われています。そのため、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬などの精神科で用いる薬は、主にこの神経伝達物質をターゲットにして開発されています。

 この「神経伝達物質」と「愛」がどのような関係にあるのか。私たちが「心のはたらき」と感じ取っているものは、「脳のはたらき」でもあります。この「脳」は神経細胞の集合体ですから、「神経伝達物質」は脳に影響し、心にも影響すると言えます。つまり、「愛」も「神経伝達物資」が形作っているとも言えるのです。

 もちろん、この領域は解明されていない部分も多く、諸説あったり、まだまだ仮説の部分があったりもします。神経伝達物質が、全てではないことを予めお伝えしておきます。しかし、その上で「神経伝達物質」というものの存在を念頭に置いて考えるのは、大変有用だと思います。