環境への配慮を連想させる“ダウンサイジング”を掲げる一方で、過給器の助けを借りて400ps、あるいは500psという出力を叩き出す強心臓モデルはいまや珍しくない。そんな中でソフトトップ仕様のND型のパワーユニットは1.5リットル。最高出力はわずか132psにすぎない。当然、動力性能は強心臓モデルとは、比べるまでもない。

ライトウエイトスポーツの本流
時を経ても色あせない名車の資質

 一方で、勝るとも劣らないのは、まさに究極ともいえる“人とクルマの一体感”。太いタイヤが生み出す強大なグリップ力や、電子デバイスに頼らずに、狙ったラインを寸分の違いもなくトレースしていく走りは、ND型の特技。軽量かつコンパクト設計の勝利だ。

 とくに軽やかなエンジンの吹き上がりと、スポーティなサウンドをBGMに、6速MTを操るときの小気味よさは最高。センターコンソール上に置いたひじをピボット(支点)にして、手首の動きだけで自在なシフトを行うドライビングは、本当に楽しい。

 CO2排出量低減のための電動化や、運転支援システムの拡充が法制化されると、大幅な重量増やボディサイズ拡大は避けられない。

 だからこそND型ロードスターには価値がある。ライトウエイトスポーツの本流。時を経ても色あせない名車の資質が、山ほど詰まっている。

(CAR and DRIVER編集部 報告/河村康彦 写真/小久保昭彦)

CAR and Driverロゴ