インスタ改革、断行ならインフルエンサー傷心も
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――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 時代は、数千隻の艦船を戦争へと向かわせる要因となった絶世の美女から、数十億回のクリック数を稼ぐ有名人へと移っている。ネット上でそこまで高い人気を集める「原料」に手を加えるようなことをすれば、フェイスブック傘下インスタグラムのようなソーシャルメディア企業は、多額の資金を失うことになるかもしれない。

 ソーシャルメディア上のセレブレティーで、消費者に購買を促す存在である「インフルエンサー」は、単独で運営する巨大ビジネスに似ている。企業は自社ブランドをインスタで宣伝するインフルエンサーに対し、年間およそ20億ドル(約2100億円)を支払っている(インスタの予約投稿ツール、ホッパーHQ調べ)。

 リアリティー番組のスターで富豪のカイリー・ジェンナーは、1億4300万人以上のフォロワーに対し、コメント入りの写真を共有しただけで毎回120万ドルを稼ぐとされる。キム・カーダシアン・ウエストも投稿するごとに100万ドル弱を手に入れる。ホッパーHQ によると、2人のそれぞれの姉妹であるケンダル・ジェンナー、クロエ・カーダシアンも投稿するごとに数十万ドルを稼いでいるようだ。

 カーダシアンの株式は(少なくともまだ)買えないが、その次に良い物を所有することはできるかもしれない。セレブはインスタと共生的な関係を築いた。フェイスブックは2012年にインスタを10億ドルで取得したが、現在の企業価値はその100倍とも推定されている。大手ハイテク企業が政治的圧力で解体に追い込まれるようなことになれば、その推定額は単なる理論上の数字以上のものになるだろう。