フェイスブックのフリマサービスは「無法地帯」Photo:Reuters

 フェイスブックのオンラインフリーマーケット「マーケットプレイス」で閲覧できるのは、近所で売りに出されている自転車や鳥の巣箱、BMWだけではない。買い手と売り手の名前やプロフィール写真、それに大まかな位置情報も表示される。

 マーケットプレイスの人気は高く、フェイスブックによると米国では3人に1人を超える人が毎月利用している。フェイスブックが知り合い同士のためのプラットフォームとしてスタートしたこともあり、マーケットプレイスの取引相手はフェイスブックの利用歴があり、友達のネットワークを持つ実在の人物という前提で運営されている。少なくとも理屈の上ではそうだ。

 ただ多くのユーザーの経験を見るかぎり、その前提が買い手と売り手の双方に誤った安心感を生み、詐欺や不正行為に好都合な環境を作り出している。

 売り手の問題には、出品物の価格変更や盗品・模造品の販売、複数のプロフィールを使った詐欺などがある。買い手も、売り手に無理を言ったり、支払いで不正を働いたり、出品物の受け渡しに現れなかったりすることがある。

 不正を働いた人間が被害者をブロックして、消息を絶つこともある。マーケットプレイスでは買い手も売り手もレビューを非公開にできるが、信頼構築というレビューの目的にそぐわないと指摘する人は多い。