ドイツ景気後退入りの恐れ、財政出動は期待できず
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 ドイツ経済は、成長の新たな動力源を必要としている。財政出動がその1つになると投資家は期待してはいけない。たとえドイツ政府が財布のひもを若干緩めるとしてもだ。

 ドイツ連邦銀行(中央銀行)は19日、7-9月期に同国経済が2四半期連続のマイナス成長となり、正式に景気後退(リセッション)入りする可能性があると警告した。欧州中央銀行(ECB)が一段の利下げの必要に迫られるとの予想が広がり、ドイツ国債10年物の利回りはマイナス0.7%近辺に低下した。

 ドイツ経済の「黄金の10年」はついに終焉(しゅうえん)を迎えたようだ。投資家がいくらか慰めを見いだしているのは、同国政府がマイナスの借入金利を生かし、需要喚起に動くだろうとの見方だ。

 だが失望に終わりそうだ。

 1999年のユーロ導入以来、ドイツは賃金の伸びを抑え、ユーロ安を利用して工業製品の輸出を増やすことで経済を拡大させた。2008年の金融危機以降、当局はこの戦略への依存を倍加させ、国内総生産(GDP)比でみる経常黒字の規模は世界最大にまで膨らんだ。