第二次補正予算が成立した。国会では今後、平成21年度予算案の審議が本格化することになる。

 きょう(1月28日)、1日遅れの施政方針演説を行なった麻生首相は、演説の中で、補正を含む政府予算案を次のように自画自賛した。

 「第一次補正予算、第二次補正予算、そして平成21年度予算。これら三つを切れ目なく、言わば三段ロケットとして進めてまいります。経済対策の規模は、約75兆円となります。予算と減税額では、約12兆円。国内総生産に比べて約2パーセントになります。諸外国の中でも最大規模の対策です」

 三段ロケットの真ん中、二次補正予算の成立によって、ようやく争点となっていた定額給付金も法制化された。だが、執行するにはまだ関連法案の成立が必要だ。仮に、野党が国会で抵抗すれば、その分だけ支給は遅れるだろう。

 そうした意味では、当初、定額給付金を景気対策の「核」だとしてきた麻生首相の企図は徐々にだが薄れている。

増税への言及が
景気対策の効果を殺いだ

 昨年11月の金融サミット後、G20のリーダーが揃って減税や給付金などの景気刺激策を急ぐ中、日本の対応はあまりにも「too late, too small」であった。

 他国の規模と比較しても、年末までに法案提出にすら至らなかった点で、定額給付金はあまりに遅すぎたし、また支給額の1万2000円もあまりに少なすぎると言っていいだろう。

 しかも、世界中が「減税」、「給付金」、「公共投資」などの景気対策を採っている中、あろうことか、麻生首相は修正したとはいえ、3年後の「消費税増税」を一時は宣言したのだ。

 本コラムでは再三、指摘してきたが、この時期の「増税」への言及は、金融サミットの「公約」とあまりにかけ離れている。中期プログラムの文言からも、3年後の消費税増税はほとんど実現不可能になったとはいえ、国民の消費マインドを冷やしたことは間違いない。せっかくの景気対策だが、その効果の減少が見込まれるのも仕方ない。

 とはいえ、増税宣言がもたらしたマイナス効果については、麻生首相自身も十分認識しているようだ。にもかかわらず、その言動は相変わらず矛盾したものとなっている。