TikTok(ティックトック)は、ばかばかしい内容で笑いを誘うショートビデオの媒体として、世界的に最も成功している中国発のモバイル向けアプリの1つになった。だが今、中国北西部の新疆ウイグル自治区出身でイスラム教徒が大半を占めるウイグル族の人たちは、TikTokの国内バージョンを利用して、行方不明の家族に思いをはせるような動画を投稿し、中国政府による大量収容キャンペーンへの関心を高めようとしている。中国のウイグル人たちは最近、家族の写真の前で無言で涙を流す様子を映した数十本もの動画を投稿している。新疆では公然と悲しみを訴えるこうした表現を目にすることはめったにない。新疆では、厳しい検閲があるため、当局の宣伝活動以外の情報が漏れ出ることはほとんどない。