驚き、読み進めて見ると、原因は眼球の異常ではなく「脳の誤作動」だという。

(きっとこれだわ)

 確信を得た由未子さんは、「眼球だけの診療では見えてこない、脳を中心に据えた眼科診療」を実践している「神経眼科」(※)を受診した。

まぶたがピクピクするだけじゃない
眼瞼けいれんの症状

「眼瞼けいれんですね」

 白髪の優しそうな眼科医は静かに言った。

「眼瞼けいれんは、ドライアイと診断される患者さんが多い病気です。自覚症状の強さの割に、ドライアイとしての重症度は低いし、治療に反応しないということで、私のところに紹介されてくるケースも多いです。眼瞼けいれんには、ドライアイにはない7つの特徴があります。

1 目を細めてまぶしそうな表情をする
2 薄目で下向きの姿勢が楽だと気付いている
3 素早い連続的なまばたきができない
4 薄暗いところでもまぶしさを自覚する
5 両眼を開けているより、片目をつぶると楽
6 ものや人にぶつかりやすい
7 突然金縛りになったように目が開かなくなる
出典:「心療眼科医が教えるその目の不調は脳が原因」(集英社新書)

 ドライアイや原因不明の眼精疲労、あるいは加齢性眼瞼下垂と診断されている人のなかで、この特徴にもし複数あてはまれば、眼瞼けいれんである可能性は極めて高いと思われます。

 眼瞼けいれんは、大脳の基底核という場所を含む神経回路の不調で、簡単に言うなら、脳の誤作動が原因です。文字面だけ見ると、まぶたがピクピクするだけの軽い病気と思われがちですが、実はやっかいな病気なんですよ。誰にでも起こりうる身近な病気ですが、なぜ起こるのかは、まだ十分わかっていません」