画像は角上魚類ホームページより

開店と同時に駐車場が埋まり、渋滞すら引き起こす人気の鮮魚販売店「角上魚類」をご存じだろうか。新潟の寺泊という小さな漁港の魚屋が、首都圏を中心に22店舗を構え年間売り上げ341億円になるまでには、スーパーに対抗して生き残るための「4つの逆張り戦略」があった。(流通ジャーナリスト 森山真二)

小さな港町の魚屋だった店が
年間売上高341億円になるまで

 新潟県長岡市に本社を置く角上魚類ホールディングスは、鮮魚専門のいわゆる「魚屋」のチェーン店だ。しかし、売上高はなんと341億円(2019年3月期)である。長岡市の寺泊という小さな港町の魚屋から出発した角上魚類、これほどまでに成長したのは、一言でいうと「スーパー」に対する逆張り戦略だった。

 最近は少し落ち着いたようだが、首都圏の埼玉県や東京都下にある角上魚類の店舗周辺では休日ともなれば、いわゆる“角上渋滞”が起こることもしばしばだ。新鮮な魚が買えるとあって、駐車場はオープンしてすぐに満杯になってしまうという状態だ。

 魚離れが言われる近年、調理が面倒だったり、中食、外食の機会が増え、肉類に偏重しがちだったりすることがその要因に挙げられているが、近場で新鮮でおいしい魚が買えるのであれば魚を買いたい、食べたいというニーズは強い。

 角上魚類は今から約40年前、新潟寺泊の魚屋からスタートした。元来、鮮魚の卸を行っていたが、当時はスーパーの全盛期。どんどんスーパーができて卸先、得意先の魚屋が影響を受け、売れなくなっていったことが角上魚類のすべての出発点だった。