記者会見でプロジェクトの全貌を語る森ビルの辻慎吾社長 Photo by Kosuke Oneda

都心再開発の激戦区である東京・虎ノ門。ここで大手デベロッパーの森ビルが、30年越しとなる総事業費約5800億円の超大型再開発に着手した。森ビルが戦略エリアと位置付ける虎ノ門のプロジェクトが持つ意味を探った(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

六本木ヒルズに匹敵
あべのハルカスを超える規模

 30年越しのプロジェクトがついに動き出した。大手不動産デベロッパーの森ビルが8月22日の記者会見で、5日に着工した「虎ノ門・麻布台プロジェクト」の全貌を明らかにした。

 敷地面積は約6万3900平方メートル、総事業費が約5800億円という大型事業だ。計画地は、以前に同社が手掛けた「六本木ヒルズ」(2003年竣工)と「虎ノ門ヒルズ」(14年竣工)のちょうど中間に位置している。

 森ビルの辻慎吾社長は30年もかかった理由について「これだという特定のハードルはなかった」とは話すが、約300人の権利者との合意形成に時間を要していたようだ。1989年に街づくり協議会を設立し、話し合いを重ねる中で、17年に政府から国家戦略特区に選ばれたことで、30年越しの大プロジェクトが日の目を見ることになった。

 このプロジェクトでは、一流の建築家やデザイナーの知恵を結集し、住宅、オフィス、商業施設、ホテル、インターナショナルスクールなどをトータルプロデュースする。中でもメインタワーはオフィスだけでも貸室総面積が約21万3900平方メートル、就業者数は約2万人を見込むほど巨大だ。

 かつてIT長者のシンボルとなった六本木ヒルズに匹敵する規模で、まさに同社の威信をかけた一大プロジェクトといっても過言ではない。さらに高さが約330メートルとなる計画で、現状で日本一の高さを誇る大阪市の「あべのハルカス」(約300メートル)を超えて新記録となる。