この他にも、「事故で後遺症を負ったが補償されない」といった配達員の声が川上弁護士の元に届いているという。

 こうした配送員が置かれた立場は、法的には事業者とされるが、むしろ労働者に近いと指摘されてきたコンビニの加盟店オーナーとよく似ている。

配達員がコンビニオーナーの
二の舞になりかねない

 コンビニ加盟店オーナーは、事業主として従業員を雇い、商品の仕入れを自身の判断で行うとされている。だが実際には、24時間営業を事実上強制されており、売れ残った食品の廃棄費用は大半が自己負担となるにもかかわらず、仕入の自由度は非常に低い。

 こうした状況を問題視し、一部オーナーが労働組合を結成し声を上げた。だが国の中央労働委員会は3月、オーナー側の主張を退け労働者性を認めなかった。そして、24時間営業の見直しひとつとっても頑なに認めないのが本部の実態である。

 これは、現行法ではコンビニ本部と加盟店オーナーとの関係性を規定するルールがないことが原因で、運営側のウーバージャパンが「パートナー」と呼ぶ配達員の働き方における関係も同様だ。

 配達員は確かに、配達する時間や頻度を自身の裁量で決められる。そして運営するウーバージャパンは、配達員の社会保険料などのコストを負担することなく配達をさせることができる。両者の“いいとこどり”という側面はあるが、配達員の身にもしも何かあっても、労働者ならば当たり前に行使できる権利が認められない。

 こうした働き方は、これまでは想定されていなかったものだ。例えばフランスでは、ウーバーなどのプラットフォーマーに対して、働き手の労災保険などを負担し、労働組合の活動を認めるよう定めた法律が16年に成立した。各国で同様の動きがあるが、日本にはまだない。

 ローソンが今後ウーバーイーツを活用したサービスを拡大しても、すでに過酷なコンビニ店舗のオペレーションには大きく影響しないかもしれない。ただ、その負担やリスクといったしわ寄せは、今度はウーバーイーツの配達員に及ぶ。サービスの拡大は消費者にとってありがたいが、同時に労働者へのマイナス面が広がるとすれば、一定の対策が必要だろう。