大阪府にあるセブン-イレブンのフランチャイズ店のオーナーが、人手不足などの理由から本部に無断で時短営業に踏み切った騒動。当初、セブン-イレブン本部は難色を示したが、それもそのはずで、双方の言い分にはそれぞれ一理あり、かつ大きな隔たりがあるのだ。(清談社 岡田光雄)
日本・韓国は変革期に
各国で異なる営業時間
事の発端は今年2月、セブン-イレブン南上小阪店のオーナーが、営業時間を24時間から19時間に短縮したことで、本部からフランチャイズ(以下FC)契約違反を理由に1700万円の請求とFC解約を求められたことだ。
違約金についてはFCの契約書にも記載されているため、本部としては、この請求はある意味当然だろう。しかし、現実的には人手不足に悩む店舗のオーナーが長時間労働を強いられることは避けられず、世論からは同情の声も上がっている。
こうした事態を受け、セブン-イレブンをはじめとするコンビニ各社は、24時間営業の見直しなどを柱とする行動計画をまとめているが、具体的にどうなるかは不透明なままだ。
そして実は、こうしたコンビニの営業時間をめぐる問題は日本に限った話ではないのだという。日本フランチャイズ総合研究所社長の内川昭比古氏は、海外のコンビニ事情についてこう解説する。
「アジアでは基本的に24時間営業のコンビニが多く、その中でも一番コンビニ文化が発展している国が日本、その次が台湾、韓国という順番です。しかし、韓国のコンビニ各店の平均売り上げは日本の半分程度しかなく、最低賃金が上昇したこともあり、韓国でも24時間営業を見直す動きもあるようです」
日本は人手不足、韓国では売り上げ不振と事情は異なるが、24時間営業を見直す機運が高まっているのだ。一方、ヨーロッパでは24時間営業のコンビニを見かけることはほとんどないという。